ドーバー海峡
どーばーかいきょう
Strait of Dover
イギリスとフランスの間の海峡。フランス名はカレー海峡Pas de Calais。最深点は59メートル。幅は最短部(ドーバー―カレー間)で34キロメートル。イギリス海峡(大西洋側)と北海を結ぶ海峡で、両者の潮汐(ちょうせき)がここで合する。イギリス側にはドーバー、フォークストン、フランス側にはカレー、ブローニュ・シュル・メールの港があり、ドーバー―カレー、フォークストン―ブローニュ・シュル・メール間に定期船が通じる。前者が主航路で、ホバークラフトで約1時間の航路。フォークストンとカレー付近のコクイユを結ぶ英仏海峡トンネルは1994年5月に開業した。
[小池一之]
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ドーバー海峡
ドーバーかいきょう
Strait of Dover
フランスではカレー海峡 Pas de Calaisと呼ぶ。イギリス南東端とフランス北端とをへだてる海峡。イギリス海峡の北東部を占め,同海峡と北海を結ぶ。イギリス海峡の最狭・最浅部をなし,幅 30~40km,水深 35~55m。両岸とも白亜系の岩石が露出し,特にイギリス側では白い断崖が発達。イギリス側沿岸にはドーバー,フォークストン,フランス側にはカレー,ブーローニュシュルメール,ダンケルクなどの港があり,両岸は鉄道連絡フェリーを含むフェリーによって密に連絡されている。イギリスとフランスを結ぶユーロトンネルの工事が 1987年から進められていたが,93年 12月に完成した。
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「ドーバー海峡」の意味・わかりやすい解説
ドーバー海峡【ドーバーかいきょう】
ヨーロッパ北西部,大陸とグレート・ブリテン島との間にある海峡。最狭部の幅約30km。沿岸には,英国側にドーバー,フォークストン,フランス側にカレー,ブーローニュなどの港市があり,大陸と英国との主要連絡地点をなす。1875年以来,毎年のように海峡横断水泳が行われている。海底トンネル(ユーロトンネル)が1993年12月に完成した。
→関連項目イギリス海峡
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デジタル大辞泉
「ドーバー海峡」の意味・読み・例文・類語
ドーバー‐かいきょう〔‐カイケフ〕【ドーバー海峡】
イギリスとフランスとの間にあって、北海とイギリス海峡とを結ぶ海峡。最狭部の幅34キロ。イギリス側にはドーバー、フランス側にはカレーの港がある。カレー海峡。
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ドーバー‐かいきょう ‥カイケフ【ドーバー海峡】
イギリスの南東部とフランスの北西部との間にある海峡。イギリス海峡の北端で、
チョーク質の
白い崖をなすことで知られる。フランス側ではカレー海峡と呼ぶ。
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ドーバーかいきょう【ドーバー海峡 Strait of Dover】
イギリス南東岸とフランス北岸の間の海峡。フランスではカレー海峡Pas de Calaisと呼ばれ,古称はガリア海峡Fretum Gallicum。イギリスのダンジネス岬からフランスのグリ・ネ岬までを南限,またイギリスのノース・フォアランドからフランスのカレーまでを北限とし,イギリス海峡と北海を結ぶ。幅30~40km,水深35~55mであるが,中央の浅瀬により二つの海域に区分される。かつての河谷が後氷期の海進によって沈水して形成された。
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世界大百科事典内のドーバー海峡の言及
【遠泳】より
…1810年にイギリスの詩人バイロンが,ギリシア神話に出てくるヘロとレアンドロスの伝説にある遠泳は可能とみて,ヘレスポントス(ダーダネルス)海峡を泳ぎ渡った話は有名である。世界的に著名な遠泳は,ドーバー海峡の横断で,イギリス側のドーバーとフランス側のグリ・ネ岬の間,最短距離で約34kmを泳ぐ。ふつう単に海峡水泳channel swimmingの名で知られ,75年8月イギリスのM.ウェッブが21時間45分で泳ぎ切って以来,毎年世界各国のチャネル・スイマーが横断に挑戦し,年中行事化されている。…
【チョーク】より
…西ヨーロッパやメキシコ湾岸の上部白亜紀層に特徴的にみられる微細な石灰粒からなる白色未固結の堆積岩で,ドーバー海峡に面する海崖に典型的に発達する。チョークは以前には無機的な炭酸石灰の沈殿物と考えられていたが,電子顕微鏡の発達により,これが主として浮遊性藻類であるコッコリトフォリーダの遺骸(コッコリス)から形成されていることが明らかとなった。…
※「ドーバー海峡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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