ド・バリー(英語表記)De Bary, Heinrich Anton

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ド・バリー」の意味・わかりやすい解説

ド・バリー
De Bary, Heinrich Anton

[生]1831.1.26. フランクフルトアムマイン
[没]1888.1.19. シュトラスブルク
ドイツの植物学者。フライブルク (1855~66) ,ハレ (67~72) ,シュトラスブルク (72~88) 各大学教授を歴任。数多くのカビの生活史を明らかにした。それまで植物の分類は形態を基準にして行うのが普通であったが,彼は生活史に基づいてカビを分類した。彼の行なった分類の大部分は今日でも通用している。彼は特に植物の病因となるカビを研究し,銹病や黒穂病におかされた植物に見られるカビがこれらの病気の原因であることを突止めた。また,銹病菌が2つの宿主 (コムギとメギ属植物) とに寄生するのを見つけたが,これは異種寄生観察として最初のものである。菌類学植物病理学の創始者とみなされている彼は,植物解剖学にも大きく貢献しており,『顕花植物およびシダ植物の比較解剖学』 Vergleichende Anatomie der Vegetationsorgane der Phanerogamen und Farne (77) を著わした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android