ドルドーニュ川(読み)どるどーにゅがわ(英語表記)la Dordogne

改訂新版 世界大百科事典 「ドルドーニュ川」の意味・わかりやすい解説

ドルドーニュ[川]
La Dordogne

フランス南西部の川。全長約500km。マシフ・サントラル北部の火山モン・ドールに源を発し,オーベルニュの高原を深く刻んで峡谷をつくりながら南西流したのち,西へ転じてアキテーヌ盆地を横切り,ボルドーの北でガロンヌ川と合してジロンド川に注ぐ。河口周辺はボルドー・ワインの主産地として有名。戯曲《シラノ・ド・ベルジュラック》で名高い商・産業の中心都市ベルジュラックBergeracまで航行可能。上流の峡谷地帯はエーグル・ダムをはじめ,巨大なダムが多く水力発電が盛んである。石灰岩地帯を流れるため,支流のベゼール川沿いのラスコーなど中流部には先史遺跡をもつ洞窟が多い。渓谷美もすぐれ,中世の町並みを残すサルラSarlatは観光の中心。支流のイールIsle川はペリゴール地方北部の中心都市ペリグーを通って流れ,周辺はクルミやトリュフ栽培で知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドルドーニュ川」の意味・わかりやすい解説

ドルドーニュ川
どるどーにゅがわ
la Dordogne

フランス南西部の川で、ガロンヌ川の支流。全長472キロメートル、流域面積2万4000平方キロメートル。マッシフ・サントラル(中央群山)北部、クレルモン・フェラン南西方のピュイ・ド・サンシー山北麓(ほくろく)に発し、オーベルニュ山地の間を多くのダムによる人工湖を経て西南流し、アキテーヌ盆地に出る。盆地に出てからは西流し、ベルベラック、リブールヌを経て、ガロンヌ川に合流し、河口部分は名称を変えてジロンド川となる。上流は電源開発が行われ、中・下流域は先史遺跡(洞穴壁画、ネアンデルタール人骨の出土)のあることで有名。

高橋 正]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドルドーニュ川」の意味・わかりやすい解説

ドルドーニュ川
ドルドーニュがわ
Dordogne

フランス南西部を流れる川。全長 472km。マシフサントラル (中央山地) 最高峰ピュイドサンシー (1886m) に源を発し,ボルドー北方約 26kmでガロンヌ川に合流し,ジロンド川三角江を経てビスケー湾に注ぐ。河口から 180kmまでは水上交通が盛ん。上流域にはシャスタン,ボールなどのダム,発電所がある。

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