ドクフジ(読み)どくふじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドクフジ」の意味・わかりやすい解説

ドクフジ
どくふじ / 毒藤
[学] Millettia pachycarpa Benth.
Millettia taiwaniana Hayata

マメ科(APG分類:マメ科)のつる性低木。台湾に分布する。茎は横にはう性質があり、葉は奇数羽状複葉で大きい。小葉は6~7対あり、長楕円(ちょうだえん)形または倒披針(ひしん)形で、両端がとがり、全縁で長さ10~15センチメートル、幅4~5センチメートル。初夏に直立性の総状花序または円錐(えんすい)花序を出し、花は初め淡紫色、のちに白色となり、長さ約3センチメートル。萼(がく)は紫褐色。豆果(とうか)は球形または長楕円形で長さ3~6センチメートル、中に種子を1個もつ。根には毒成分のロテノン(約2%)が含まれ、台湾ではこれを砕いて池や河川に流して魚をとる。

[長沢元夫 2019年10月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android