ト一(読み)といち

精選版 日本国語大辞典 「ト一」の意味・読み・例文・類語

と‐いち【ト一】

〘名〙 (「上」の字を「ト」と「一」とに分けて読んだ語。花柳界などで隠語として用いられた)
① (形動) 上等であること。また、そのさま。上物。特に、上等な遊女美女
洒落本・仕懸文庫(1791)二「よい女郎の事を『ト一チ』〈略〉と申やす」
② 好きな人。愛人情人上方遊里で用いられた。
滑稽本・人情穴探意の裡外(1863‐65頃)三「私を色女(トイチ)のやうに思うてゐてか」

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デジタル大辞泉 「ト一」の意味・読み・例文・類語

と‐いち【ト一】

[名・形動]《「上」の字を分解して読んだもの。近世語》上等であること。特に、女性器量が人並み以上であること。また、そのさま。
「これは―なお嬢様」〈伎・青砥稿

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