トンシャン(東郷)族(読み)トンシャンぞく(英語表記)Dong-Xiang

百科事典マイペディア 「トンシャン(東郷)族」の意味・わかりやすい解説

トンシャン(東郷)族【トンシャンぞく】

中国,甘粛省臨夏回族自治州のトンシャン族自治県(1950年成立)などに主に居住する民族。民族名は地名東郷〉に由来し,かつては〈東郷回回〉〈東郷蒙古〉などと称された。言語モンゴル語で現在は漢語に通じる。習俗回族と同じでイスラム教徒だが,男性に鬚(ひげ)を蓄える習慣がある点が異なる。元代に軍事遠征で来たモンゴル人と色目(しきもく)人が土着化した集団といわれる。畑作農業主体。約37万人(1990)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トンシャン(東郷)族」の意味・わかりやすい解説

トンシャン(東郷)族
トンシャンぞく
Dong-Xiang

中国甘粛省南部に居住するモンゴル系の少数民族。人口約 35万 (1990) 。甘粛省リンシヤホイ (臨夏回) 族自治州のなかにトンシャン (東郷) 族自治県が設立されている。この地域に 13世紀に駐屯したモンゴル帝国軍隊子孫と考えられる。けわしい山岳地帯に居住して,斜面に畑を開きじゃがいも,麦類などを栽培し,牧畜も行う。古来干害に悩まされてきたため,水利工事に力を入れている。イスラム教徒で,習俗習慣は隣住するホイ (回) 族とほぼ同じである。

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