トレバー=ローパー(英語表記)Trevor-Roper, Hugh Redwald

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トレバー=ローパー」の意味・わかりやすい解説

トレバー=ローパー
Trevor-Roper, Hugh Redwald

[生]1914.1.15. ノーサンバーランドシャー
[没]2003.1.26. オックスフォードシャー
イギリスの歴史学者。オックスフォード大学卒業,1957年以後同大学欽定講座教授。イギリス,ヨーロッパの近代初期の歴史を考えるうえで宮廷対地方,国家対社会の対立という図式を提出。 R.トーニーや E.ホッブスボームらの進歩主義的歴史解釈に反対し,ジェントリー論争,17世紀の全般的危機論争の一方旗頭となる。主著『大主教ロード』 Archbishop Laud (1940) ,論文ジェントリー  1540~1640』 The Gentry 1540-1640 (1953) ,『17世紀の全般的危機』 The General Crisis of the 17th Century (1959) 。また『ヒトラー最後の日』 The Last Days of Hitler (1947) など専門以外の著書もある。

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百科事典マイペディア 「トレバー=ローパー」の意味・わかりやすい解説

トレバー=ローパー

現代英国の代表的な歴史家。処女作《ロード大主教》(1940年)以外にさしたる業績がなかったにもかかわらず,1957年オックスフォード大学近代史欽定講座教授に選ばれて話題をよんだ。希代の論争家として知られ,〈ジェントリー論争〉〈17世紀危機論争〉などにおいて,トーニーヒル,ホブズボームら進歩派を相手に論陣を張った。1979年デーカー・オブ・グラントン男爵となり,翌1980年オックスフォード大学を引退して,ケンブリッジ大学のピーター・ハウスの学寮長となった(−1987年)。1980年代には,彼自身かつて話題作《ヒトラー最後の日》(1947年)を著してその権威とみなされておりながら,ヒトラーの贋作日記を偽造と見破れず,これまた話題を提供した。

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