日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
トレド(アメリカ合衆国)
とれど
Toledo
アメリカ合衆国、オハイオ州北西部の都市。ミシガン州境に近いエリー湖南西端に位置する。人口31万3619(2000)。五大湖地域の商工業の中心都市として知られる。天然の良港は五大湖の主要な積出し港で、石炭、石油、鉄鉱石をはじめ多種工業製品や農産物が集まり、つねに活気がある。また、交通の要衝ともなっている。工業の面では「ガラスの町」とうたわれるほどガラス工業が盛んで、車の窓用破砕防止ガラスから薬品用の瓶、ファイバーグラスに至るまで多種多様なガラス製品が生産される。ジープを中心とした自動車部品、機械、エレベーター、医薬品などの製造も盛んで、製油業はシカゴ以西では上位にランクされる。1833年に2村の合併によって誕生した同市は、落ち着いた教育・文化の都市でもあり、トレド大学(1872創立)など多くの由緒ある大学や文化施設をもち、市民の間では文化、スポーツ活動も盛んに行われている。なかでもトレド美術館は世界最大のガラス古美術品の収集館として有名であり、市立トレド動物園も全米にその名を知られる。
[作野和世]