精選版 日本国語大辞典 「トリトン」の意味・読み・例文・類語
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翻訳|Triton
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海王星の第I衛星。1846年,W.ラッセルによって発見された。軌道半径35万5250km(海王星半径の14.47倍),公転周期5.87683日。半径は1353km,質量は2.97×1025g(海王星の2.89×10⁻4倍),平均密度は2.88g/cm3と求められる。一般に大型の衛星は母惑星の自転と同方向に公転しているが,トリトンは逆転している。海王星のもう一つの衛星であるネレイドは順転であるが,離心率0.7493というきわめていびつな楕円軌道をもっており,遠い過去に海王星周辺で何かが起きたことを示している。惑星探査機ボイジャー2号の観測によれば窒素からなる大気があり,大気圧は0.01ミリバール,有効温度は-236゜Cである。表面の地形は南半球は複雑であるが,北半球は比較的のっぺりしている。表面には火山があり,液体窒素がガスとともに噴出して風下に流れた跡がある。
執筆者:田中 済
ギリシア神話で,半人半魚の姿をした海神。ポセイドンの子。法螺貝(ほらがい)を吹き鳴らして波を鎮めると考えられた。ローマ建国の祖アエネアスのらっぱ手ミセヌスMisenusは彼に技競べを挑んだため,その名を残したミセヌム岬近くの海で溺死させられたという。
執筆者:水谷 智洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…海の支配者は最高神ゼウスの兄弟のポセイドンで,武器としても漁具としても使われる三つ股の矛を持ち,地震や津波の神としても恐れられた。彼の妃はネレイデスの一人であるアンフィトリテAmphitritēで,この夫婦の息子で下半身が魚の形をしたひょうきんな海神トリトンも,ネレウスやその同類のプロテウスやグラウコスなどと同様に,非常な知恵と変身の能力の持主である。日本神話の塩土老翁(しおつちのおじ)も,変身の能力をもつ知恵者の海神であるという点で,これらの同類と認めることができる。…
…この神は豊饒をつかさどり,ギリシアのアフロディテやローマのウェヌス(ビーナス)の原形となった。ギリシアでは,海の精ネレイスNērēisたちや海神トリトンが人魚の姿を取る。そして後代になると,これらの神々に形態が類似する海獣などが同じ名称で呼ばれるようになり,神話的存在と実在の動物との混同を促進させた。…
…天王星の衛星は母惑星の赤道面が98度も傾いているため,惑星軌道面に対しては大きな傾き角をもつ。海王星の内側の大きな衛星トリトンは逆行しており,外側の小さな衛星ネレイドは順行ではあるが,0.75というとびぬけて大きな離心率をもっている。一説によれば,冥王星はもと海王星の衛星であり,なんらかの異変によって海王星から逃げ出した。…
※「トリトン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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