トラヤヌスの円柱(読み)トラヤヌスのえんちゅう

百科事典マイペディア 「トラヤヌスの円柱」の意味・わかりやすい解説

トラヤヌスの円柱【トラヤヌスのえんちゅう】

トラヤヌス皇帝戦功をたたえてローマのトラヤヌス・フォルムの中央に立てられた全高約30mの大理石円柱。113年完成。方形の台座上に立ち,円柱の周囲いちめんに,皇帝のダキア遠征の諸場面が,らせん状に浮彫されている。
→関連項目アポロドロス

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世界大百科事典(旧版)内のトラヤヌスの円柱の言及

【塔】より

…しかし,塔には人間が昇っていく場所という意味内容が伴っており,そのため煙突は塔とはいえず,テレビ塔や電波塔もそれだけでは高い構築物にすぎない。また,古代ローマの記念柱であるトラヤヌスの円柱は,中を螺旋(らせん)階段が昇り,塔ともいえる。先史時代の巨石記念物や古代エジプトのオベリスクは,石塊そのものであって塔ではない。…

【トラヤヌス】より

…まず101‐102年,105‐106年の2度にわたる戦争によりダキアをローマの属州としたが,特に同地の金鉱と岩塩鉱は帝国の財政を潤した。この戦争のようすはローマ市に現存する〈トラヤヌスの円柱〉の浮彫に描かれている。 東方では106年アラビア・ペトラエを併合して属州とし,紅海沿岸からシリア海岸までの隊商路を確保した。…

【ローマ美術】より

…西洋美術史において,ローマ美術は今なお十分な解明の成されていない唯一の美術である。それは,前8世紀から後4世紀までの長大な歴史を有するためだけでなく,時代によってローマの版図があまりに異なるためである。本項では,ローマ美術を,古代ローマ人が支配した地域における美術活動と規定することとする。 前5世紀までのローマ美術は,エトルリア美術およびマグナ・グラエキアのギリシア美術の影響を強く受け,いまだ独自性を有しておらず,その活動も活発ではなかった。…

※「トラヤヌスの円柱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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