トラシュマコス(英語表記)Thrasymachos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トラシュマコス」の意味・わかりやすい解説

トラシュマコス
Thrasymachos

前 430~400年頃活躍のギリシアの修辞学者,ソフィスト。ビトゥニアのカルケドンに生れる。ゴルギアスの詩的散文と会話体との中間的な散文体を創造し,リズム副文構築を重視し,さらに情緒に訴える発話法や身ぶりを工夫するなどして,ギリシア雄弁術と散文の発達貢献プラトンの『国家編』に登場して,正義強者のためのものという命題を擁護する役を与えられている。

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世界大百科事典(旧版)内のトラシュマコスの言及

【ソフィスト】より

…訳して詭弁派ともいう。当時の代表的ソフィストは,プロタゴラス(北東ギリシアのアブデラ出身),ゴルギアス(シチリア島のレオンティノイ出身),ヒッピアスHippias(ペロポネソス半島のエリス出身),プロディコスProdikos(エーゲ海のケオス島出身)などで,このほかエウエノスEuēnos,アンティフォンAntiphōn,トラシュマコスThrasymachosらがいる。彼らの活動は国際的で,アテナイを中心に多くの都市国家をわたり歩き,主として富裕な市民家庭の子弟を相手に,金銭を報酬として教育活動を行って人気を得た。…

※「トラシュマコス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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