トムジョーンズ

デジタル大辞泉 「トムジョーンズ」の意味・読み・例文・類語

トムジョーンズ

原題The History of Tom Jones, a Foundlingフィールディング長編小説。18巻。1749年刊。地主に育てられた捨て子トム闊達かったつ青年となり、さまざまな体験を経て幸福な結婚をする。18世紀の英国を代表する小説

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改訂新版 世界大百科事典 「トムジョーンズ」の意味・わかりやすい解説

トム・ジョーンズ
Tom Jones

イギリスの小説家H.フィールディングの代表的小説。全18巻。1749年刊。正確な原題は《The History of Tom Jones,a Foundling》。捨子トムは地主オールワージーに引きとられ,彼の妹ブリジェットの子どもブライフィルといっしょに育てられる。2人の少年は性格が正反対で,トムは道徳的にはだらしがないが純真で善良な性格であるのに対して,ブライフィルは道徳的な厳格さをたえず口にする偽善者である。トムは近隣の地主の娘ソファイアと恋仲になるが,ブライフィルの奸計により勘当され,ソファイアも相前後して家出する。途中ですれ違いながらともにロンドンへ出て,それぞれ誘惑にあったり,誤解されたりするが,トムの素姓がブリジェットの子とわかり,めでたく結ばれる。全巻調和のとれたみごとな構成をもつ18世紀小説の代表作で,フィールディングの小説の特質である明るい笑いがいかんなく発揮されている。この小説は第2次大戦後,ジョン・オズボーン脚色,トニー・リチャードソン監督で映画化(1963)された。
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世界大百科事典(旧版)内のトムジョーンズの言及

【フィールディング】より

…また45年のジャコバイトの反乱に際しては政府側の新聞を発行した。フィールディングの小説は古典主義的な伝統に立って明るい笑いを特質としているが,それは代表作《トム・ジョーンズ》(1749)に最も顕著に示されている。しかし1748年よりロンドンのウェストミンスター地区の治安判事に任ぜられ,単に明るいとはいえないさまざまな現実苦に満ちた世界を見ることとなった。…

※「トムジョーンズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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