ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トマ」の意味・わかりやすい解説
トマ
Thomas, Albert
[没]1932.5.7. パリ
フランスの政治家,歴史家。エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) を卒業後奨学金を得てロシア,地中海東岸,ドイツに旅行し,労働者階級史を研究。 1904年に『ユマニテ』紙の編集に協力し,10年に社会党代議士となり,第1次世界大戦中は無任所相,軍需相として活躍した。 17年に帝政ロシアが崩壊するや,レニングラードに向い,ケレンスキー政府に協力。 19年から国際連盟の国際労働機構事務局長に就任した。主著『ドイツのサンディカリズム』 Le Syndicalisme allemand (1903) 。
トマ
Thomas, Henri (Joseph Marie)
[没]1993.11.5. パリ
フランスの詩人,小説家,翻訳家。イギリスやアメリカの大学の教授,講師として長く海外に滞在。凝った文体で孤独と静寂の生活を描き,神秘的な詩情をたたえた小説『ロンドンの夜』 La Nuit de Londres (1956) ,『岬』 Le Promontoire (61,フェミナ賞) ,詩集『盲人の業』 Travaux d'aveugle (41) ,評論集『宝捜し』 La Chasse aux trésors (61) などのほか,シェークスピア,ゲーテ,メルビル,プーシキンの翻訳がある。
トマ
Thomas, Charles Louis Ambroise
[没]1896.2.12. パリ
フランスの作曲家。パリ音楽院に学び,1832年カンタータ『エルマンとケティ』 Herman et Kettyでローマ大賞を獲得し,イタリア,ウィーンを回って 36年パリに戻り,オペラを中心に作曲活動を始めた。 51年パリ音楽院教授,71年同院長。 C.グノーとともにフランスのリリック・オペラの代表者とされる。代表作『ミニヨン』 Mignon (1866) ,『ハムレット』 Hamlet (68) など。
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