トウヒ(唐檜)(読み)トウヒ(英語表記)Picea jezoensis var. hondoensis; spruce

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トウヒ(唐檜)」の意味・わかりやすい解説

トウヒ(唐檜)
トウヒ
Picea jezoensis var. hondoensis; spruce

マツ科の常緑高木で,本州中北部より西の山地に生える。針葉が枝に密につき,若枝は赤褐色で葉の先はとがらない。樹高は 30mに達する。樹皮は赤褐色で小型の鱗状になってはげる。雌雄異花で花被はない。球果は熟すると黄緑色になる。種鱗は倒卵状披針形。材はヒノキ代用として多方面に利用され,特にパルプ材として用いられる。本種はエゾマツ P. jezoensis変種とされているが,ときには同一種として扱われることもある。両者の区別点は産地の違い,エゾマツは枝が赤みを帯びず,種鱗が倒卵形であるなどである。

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