トゥクロール族(読み)トゥクロールぞく(英語表記)Tukulor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥクロール族」の意味・わかりやすい解説

トゥクロール族
トゥクロールぞく
Tukulor

西アフリカのセネガル北部,半乾燥地帯フータ・トロ地域に居住する民族。牧畜民フルベ族の影響が大きく,フラニ語を話す。民族名称は,10~18世紀にこの地で栄えたテクルール王国に由来する。 11世紀にはイスラム教受容。社会組織は父系リニージ基盤おき一夫多妻婚が行われる。社会の階層化が進んでおり,貴族を含めた自由民層,職人層,奴隷層に分化している。農耕を主生業とするが,階層化社会の矛盾人口増加,経済活動の停滞などの要因により,近年は都市への出稼ぎ労働者が増えている。現在の人口は約 50万と推定される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版 「トゥクロール族」の意味・わかりやすい解説

トゥクロールぞく【トゥクロール族 Toucouleur】

西アフリカ,セネガル北端のセネガル川中流一帯,フータ・トロ地域に住み,農耕を主とする部族。自称のハール・プラール(フルベ語を話す人々)のとおり,牧畜を主とするフルベ族と同じ言語を話す。トゥクロールという呼称は,10世紀以前からこの地にあった西アフリカの古王国テクルールからきていると考えられる。早く(11世紀)からイスラム化し,かなりまとまっていたようであるが,16世紀半ば外部からの征服者コリ・テンゲッラによって統一された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

線状降水帯

線状に延びる降水帯。積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらす。規模は、幅20~50キロメートル、長さ50~300キロメートルに及ぶ。台風に伴って発達した積乱雲が螺旋らせん状に分布する、アウターバンドが線状...

線状降水帯の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android