デロスの問題(読み)デロスのもんだい(英語表記)Delian problem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デロスの問題」の意味・わかりやすい解説

デロスの問題
デロスのもんだい
Delian problem

立方体倍積問題ともいう。与えられた立方体の2倍の体積をもつ立方体を作図によってつくるという問題で,ギリシア数学に現れた作図三大問題のなかの一つである。この問題が起ったきっかけは,伝説によれば,エーゲ海デロス島伝染病が流行したとき,神のお告げによって,それまであった立方体の祭壇を2倍の体積のものに造り替える必要が起ったときとされる。初めは単純に考えて各辺の長さを2倍にして造った (体積は8倍になる) が,神の怒りをしずめることができず,結局,賢者の誉れ高いプラトンに解決方法を依頼した。それでプラトンが「デロスの問題」として考えたからだといわれる。その後キオス島ヒポクラテスが,この問題を,現代式にいえば,x3=2a3 を解く問題としてとらえ,これを解くために,a/xx/yy/2a という比例式を満たす y を考え,この y を知って x を求めればよいと述べた。しかし,彼はこれを作図によって解くことはできなかった。この問題が作図不可能なことは,1837年にフランスの数学者 P.ワンツェル (1814~48) によって証明された。

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デロスの問題【デロスのもんだい】

立方体倍積問題

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