日本大百科全書(ニッポニカ) 「デレオン」の意味・わかりやすい解説
デレオン
でれおん
Daniel DeLeon
(1852―1914)
アメリカの社会主義指導者。オランダ領キュラソー島に生まれる。ヨーロッパで学び、ニューヨークにきて、コロンビア大学を卒業、同大学で6年間ラテンアメリカ外交を講じた。1890年社会主義労働党に入り、機関紙『ピープル』を編集し、同党を指導した。労働運動の社会主義的再編成の必要を力説し、AFL(アメリカ労働総同盟)に対抗して95年社会主義職業労働連盟を設立した。この二重組合政策とセクト的な党指導のため、党の分裂を招き、アメリカ社会主義運動の指導権を社会党(1901成立)に譲った。革命的マルクス主義にたつ理論家であったが、サンジカリズムに接近し、1905年にはIWW(世界産業別労働者組合)創設に参加した。
[野村達朗]