デラウェア(読み)でらうぇあ(英語表記)Delaware

翻訳|Delaware

精選版 日本国語大辞典 「デラウェア」の意味・読み・例文・類語

デラウェア

(Delaware)
[1] アメリカ合衆国東北部、大西洋岸にある州。独立一三州の一つ。農・漁業がさかんで、造船化学などの工業も行なわれる。州都ドーバー
[2] 〘名〙 ブドウ栽培品種果粒は小粒で紫褐色をし、甘味が強い。生食用として広く栽培される。〔食物辞典(1928)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「デラウェア」の意味・わかりやすい解説

デラウェア[州]
Delaware

アメリカ合衆国,大西洋岸中部の小州。略称Del.。独立13州の一つで,連邦加入1787年,1番目。面積5060km2,人口89万7934(2010)。州都ドーバー,最大都市ウィルミントン。州名はイギリスのバージニア植民地初代総督デ・ラ・ウェアDe La Warrにちなむ。デラウェア半島北東部,デラウェア湾に臨み,海岸平野大部分を占める低平な州で,最高点の標高はわずかに134m。ロード・アイランド州に次いで小さく,人口は5番目に少ないが,人口密度の高い州として知られ,ボストンからワシントンD.C.にかけてのびるアメリカ・メガロポリスの一部をなす。とくに州北端部,デラウェア川右岸のウィルミントン一帯は,交通網が発達し,都市化の著しい人口集中地域で,世界最大の化学会社デュポン・ド・ヌムールをはじめとする化学工業や,機械,繊維,食品加工などの工業の集積がみられる。会社設立を優遇する州法があるため,名目的な本社をおく大企業も多い。大消費市場に隣接する豊かな農業地域も発達し,大豆トウモロコシジャガイモのほか,野菜の温室栽培が盛んである。また州鳥はニワトリ(blue hen chicken)であるが,ブロイラー生産が大きく,酪農,養豚も重要である。こうした農工業の発達により,1人当りの所得は合衆国平均よりもかなり高い。海岸地域は観光地化が進んでいる。他州に先がけて合衆国憲法を批准し,連邦加入第1号となったため,〈ファーストステート(最初の州)〉の俗称をもつ。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デラウェア」の意味・わかりやすい解説

デラウェア
でらうぇあ
Delaware

アメリカ合衆国東部の州。面積5328平方キロメートル。人口78万3600(2000)。デラウェア湾とチェサピーク湾に挟まれたデルマーバ半島の北東部に位置し、北はペンシルベニア州、西部と南部はメリーランド州に接する。州都はドーバーで最大都市はウィルミントン。ロード・アイランド州に次ぎ面積の狭いことと、大部分が海岸平野で土壌の肥沃(ひよく)なためにダイヤモンド州とよばれる。また、最初の連邦加入州のため、ファースト・ステーツの俗称をもつ。気候は温暖・湿潤で、ウィルミントンの年降水量は1020ミリメートル、1月の平均気温は0℃、7月の平均気温は24℃である。土地は低平で、平均海抜高度は18メートル。デラウェア州のおもな産業は農業と工業である。農産物としてはブロイラー、トウモロコシ、大豆、肉牛、酪農製品、野菜の生産が多い。工業は北部の都市に集中し、化学、食品、ゴム、プラスチック、金属加工などが盛んである。1631年オランダの植民者が最初に定住し、38年にはスウェーデンの植民者が砦(とりで)を建設したが、55年にオランダがニュー・スウェーデンを占領し、1664年イギリス領となった。合衆国独立時の13州の一つで、合衆国憲法を最初に批准した州として知られる。南北戦争時には奴隷州にもかかわらず北軍側に属した。州名は、イギリスのバージニア植民地初代総督のデ・ラ・ウェアにちなむ。

[菅野峰明]


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デジタル大辞泉プラス 「デラウェア」の解説

デラウェア〔果物〕

山梨県などで生産されるブドウ。アメリカオハイオ州デラウェアで19世紀末に発表・命名された品種で、日本には明治期に導入。「たねなしブドウ」の代表的な品種で、国内で最も多く生産されている品種。小粒で果皮は実離れがよく、酸味と甘みのバランスがよい。

デラウェア〔戦艦〕

《Delaware》アメリカ海軍の戦艦。デラウェア級の1番艦。弩級戦艦。船体識別番号はBB-28。1909年進水、1910年就役。1923年退役。翌年スクラップとして売却、解体。

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