デュヌの戦い(読み)デュヌのたたかい(英語表記)Battle of the Dunes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デュヌの戦い」の意味・わかりやすい解説

デュヌの戦い
デュヌのたたかい
Battle of the Dunes

砂丘の戦いとも呼ばれる。 1658年6月 14日にフランスのテュレンヌ元帥指揮のイングランド=フランス連合軍と,同じくフランスの大コンデ (当時はスペイン軍に属していた) の率いるイングランド亡命王党派=スペイン軍との間で行われた戦闘。デュヌはダンケルク付近の砂丘。前者には O.クロムウェル派遣の 6000人のイングランド歩兵隊,後者にはヨーク公 (のちのジェームズ2世) 指揮下の王党派数個軍団が参加,イングランド軍相互の死闘は特に激烈をきわめた。戦闘はイングランド=フランス連合軍側の勝利に帰したが,スペイン軍の退却後もなお,わずか 300人の兵力で頑強に抵抗し,イングランド王チャールズ2世への帰属を条件にようやく降伏したイングランド軍近衛兵の勇戦がたたえられ,のちのイギリス陸軍近衛歩兵第1連隊のもとになった。翌 59年「ピレネー条約」がスペインとフランスの間で結ばれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android