デデリエ

改訂新版 世界大百科事典 「デデリエ」の意味・わかりやすい解説

デデリエ
Dederiyeh

シリア北部,アフリン盆地にある石灰岩の巨大な洞窟遺跡。1987年に東京大学の赤澤威たちが発見し,〈二つの入り口〉を意味するデデリエと名付けた。発掘を進めた結果,93年に大量のルバロワ技法による石器とともに,2体のネアンデルタール人幼児骨格とその他の人骨を発見した。名前の通り,開口部が二つあるので洞窟内が乾燥し,居住に適していたと考えられる。人骨は,調査隊のメンバーであった東北大学の百々幸雄や東京大学の近藤修たちによって研究され,ネアンデルタール人の成長過程の理解に貢献した。
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百科事典マイペディア 「デデリエ」の意味・わかりやすい解説

デデリエ

シリア北部アフリン盆地にある旧石器時代の洞窟遺跡。日本・シリアの合同調査により,1992年,埋葬されたネアンデルタール人子供が発見された。現生人類出自関連が深いと考えられる地域での発見であり注目される。

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