日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
テート(Allen Tate)
てーと
Allen Tate
(1899―1979)
アメリカの批評家、詩人。ケンタッキー州出身。バンダービルト大学在学中にランサムたちとニュー・クリティシズム(新批評)の母体となった『フュージティブ』グループを結成した。近代化に伴う雑音や感情の喪失を嫌って農本主義に共鳴し、伝統の尊重を唱えた。同時に詩の技術面を強調し、『詩における緊張(テンション)』(1938)、ポーの観念主義的ロマン主義を批判した『天使的想像力』(1951)が代表的論文。批評論集には『反動的エッセイ集』(1936)、『狂気のなかの理性』(1941)、『評論集』(1959)などがある。詩作品では、もはや経験しえなくなった感動を死者に託した『南部連邦の死者に捧(ささ)げる賦』(1926)がもっともよく知られ、詩集としては『ポープ氏その他』(1928)、『地中海その他』(1936)などがある。
[森 常治]
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