テルメズ(英語表記)Termez

デジタル大辞泉 「テルメズ」の意味・読み・例文・類語

テルメズ(Termiz)

ウズベキスタン南部、スルハンダリヤ州都市。同州の州都アフガニスタンとの国境に近く、アムダリア川沿いに位置する。紀元前3世紀から前2世紀頃のバクトリア時代の遺跡がある。クシャン朝時代に仏教が盛んになり、7世紀にアラブ人が進出した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テルメズ」の意味・わかりやすい解説

テルメズ
Termez

ウズベキスタン南部,スルハンダリヤ州の州都。アムダリア北岸の河港都市で,対岸はアフガニスタンである。旧ソ連では最も暑い都市といわれ,最高気温 50℃を記録している。現在の市の北にあった古代のテルメズはバクトリア時代から存在した都市で,交易の中心地として栄えたが,17世紀末破壊された。現在の市は 19世紀中頃生れたパタギサル村から発展したもので,1910年テルメズに改称,29年市となった。主要工業は繰綿,食品,建設資材など。近郊に古代テルメズの歴史的記念物が多数ある。タジキスタンドゥシャンベと鉄道,ハイウェーで,タシケントとはハイウェーで結ばれる。人口9万 400 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テルメズ」の意味・わかりやすい解説

テルメズ
てるめず
Термез/Termez

中央アジア、ウズベキスタン共和国スルハンダリヤ州の州都。アフガニスタンとの国境に近いアムダリヤ中流部右岸に位置する。人口11万1500(1999)、14万5065(2019推計)。鉄道駅があり、河港のテルメズ港は国際港である。夏季には気温が高くなり、50℃に達することがある。紡績、れんが製造、精肉乳製品工業ほか、建築資材製造コンビナートがある。近郊に紀元前3~前2世紀のバクトリア時代の都市遺跡がある。

[山下脩二]

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世界大百科事典(旧版)内のテルメズの言及

【バクトリア王国】より

…【小谷 仲男】
[美術]
 バクトリア王国時代には,アイ・ハヌムからコリント式柱頭が発掘されていることが示すように,ヘレニズム美術が栄え,前2世紀末からギリシアとイランの美術が混交した〈グレコ・イラン様式美術〉が生まれた。王国滅亡後,1~3世紀には南のガンダーラから仏教美術が伝播し,テルメズTermez(ウズベキスタン領)の近辺などに多数の寺院が建立され,絵画,塑像,石彫(〈オクサス派〉)が制作された。3世紀にこの地がササン朝ペルシアに征服されると,クシャーナ朝とササン朝の美術が融合した様式が誕生し(金・銅貨,〈饗宴図〉中心の世俗的壁画など),この美術は5~6世紀のエフタル族支配下にも踏襲された。…

※「テルメズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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