テラン

化学辞典 第2版 「テラン」の解説

テラン
テラン
tellane

H2Te(129.62).テルル化水素のIUPAC体系名.Teと H2 を約650 ℃ で反応させるか,Al2Te3と水またはHClとの反応で得られる.また,陰極にTeを用いて,硫酸またはリン酸の濃溶液を電解しても得られる.無色のニンニク臭のある気体.密度2.08 g cm-3(液体,-12 ℃).H-Te1.69 Å.∠H-Te-H89.5°.融点-51 ℃,沸点-4 ℃.気体は,乾燥した純粋なものはいくぶん安定であるが,ごみ湿気があると,光により瞬時に分解がはじまる.空気中で青白い炎をあげて燃えてTeO2を生じる.水に可溶.弱酸性を示す.K1 2.3×10-3K2 1.6×10-11.水溶液はしだいに分解する.さらに空気に接するとTeを沈殿する.還元性があり,ハロゲン単体などの酸化剤と反応してTeを与える.芳香族ニトロ化物をアミンに,アルデヒドケトンをアルコールに還元する.金属塩とはテルル化物をつくる.猛毒.[CAS 7783-9-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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