テドン(大同)江(読み)テドンこう(英語表記)Taedong-gang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テドン(大同)江」の意味・わかりやすい解説

テドン(大同)江
テドンこう
Taedong-gang

北朝鮮の西部を流れる川。全長は 439kmで,朝鮮半島で5番目に長い。流域面積2万 135km2。ランリム (狼林) 山脈中部のランリム山の東斜面から流出し,南西に流れてソジョソン (西朝鮮) 湾に注ぐ。中流からは準平原地域を流れ,ポトン (普通) 江との合流点にピョンヤン (平壌) 市が立地する。流れがゆるやかで,潮汐の影響はピョンヤン市付近に及ぶ。このため可航距離が大きいが,さらに浚渫閘門式ダムの建設によって,河口からソンリム (松林) 市まで 4000t級,ピョンヤン市まで 2000t級の船が航行する。ただし冬季は結氷する。ピョンヤン市,ソンリム市,ナンポ (南浦) 市はいずれも重要な工業都市で,河港をもつ。特に河口の溺れ谷にのぞむナンポ市は北朝鮮最大の貿易港である。農業用水にも利用され,下流西岸にキヤン (岐陽) 灌漑区,支流のチェリョン (載寧) 江の両岸にオジドン (於地屯) 灌漑区が広がる。 1980年中流のミリム (美林) に閘門が造られ,農業用水,都市用水の供給,発電に利用されるほか,水運にも役立っている。流域は高句麗の中枢となった地で,遺跡が多い。東海岸に流出するリョンフン (竜興) 江と運河で結んで,半島横断の水路を建設する計画が立てられている。

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