世界大百科事典 第2版 の解説
テオドレトス[キュロスの]【Theodōrētos】
シリアのキュロスKyrrhosの主教,ギリシア人教父。隠修士として研鑽を積むがネストリウスと友人になり,アンティオキア学派の一員としてキリスト両性論を主張して異端論争に巻き込まれた。アレクサンドリアのキュリロスを批判して,盗賊教会会議(449)では単性論者のために退けられたがのち復権された。書簡・著書が多く現存し,《教会史》は4~5世紀の貴重な史料であり,そのほか禁欲者の伝記,キリスト教・異教比較論などがある。
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