ティールタンカラ(英語表記)Tīrthaṅkara

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティールタンカラ」の意味・わかりやすい解説

ティールタンカラ
Tīrthaṅkara

ジャイナ教の伝説にある救世者たち。祖師マハービーラの以前に 23人の救世者が世に出たとされる。すなわち,(1) リシャバ,(2) アジタ,(3) シャンババ,(4) アビナンダナ,(5) スマティ,(6) パドマプラバ,(7) スパールシュバ,(8) チャンドラプラバ,(9) スビディ,(10) シータラ,(11) シュレーヤーンシャ,(12) バースプージャ,(13) ビマラ,(14) アナンタ,(15) ダルマ,(16) シャーンティ,(17) クントウ,(18) アラ,(19) マッリン,(20) スブラタ,(21) ナミン (ニミン) ,(22) アリシュタネーミ,(23) パールシュバナータ,そして第 24祖がマハービーラ (バルダマーナ) である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のティールタンカラの言及

【ジャイナ教】より

…以後30年間遊行しながら教えを説き広め,信者を獲得し,72歳でパータリプトラ(現,パトナ)市近郊のパーバー村で生涯を閉じた。 ジャイナ教徒によれば,すでにマハービーラ以前に23人のティールタンカラtīrthaṅkaraと呼ばれる祖師たちがいた。ティールタンカラとは〈渡し(ティールタ)を作る人〉〈救済者〉の意味で,ジナのことをさす。…

【ジャイナ教美術】より

…またマトゥラーのカンカーリー・ティーラーKaṅkālī Ṭīlāの発掘や浮彫遺品から,古代にはジャイナ教徒も盛んにストゥーパを造営したことがわかる。 24人の祖師(ティールタンカラtīrthaṅkara)の造像はマトゥラーにおいて仏陀像の出現(2世紀初期)とほぼ同時に始まり,直立または結跏趺坐するその像容は仏陀像に酷似する。しかし全裸であること(5世紀中期以後白衣(びやくえ)派では下半身に衣をまとう),各祖師固有の標幟,胸間の特有のシンボルなどで区別し得る。…

【マハービーラ】より

…その後30年間遊行遍歴を続けながら教えを説き広め,72歳でパータリプトラ(現,パトナー)市近郊のパーバー村でその生涯を閉じたと伝えられる。ジャイナ教徒の信仰によると,マハービーラ以前に既に23人の祖師ティールタンカラTīrthaṅkaraたちがおり,彼は第24祖にあたるという。第23祖パールシュバナータは,たぶんニガンタ派を率いていた実在の人物で,マハービーラはその教説を改良してジャイナ教を創設したとみられる。…

※「ティールタンカラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android