ツリガネニンジン(釣鐘人参)(読み)ツリガネニンジン(英語表記)Adenophora triphylla var. japonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ツリガネニンジン(釣鐘人参)
ツリガネニンジン
Adenophora triphylla var. japonica

キキョウ科の多年草。日本列島のほぼ全域と南千島サハリンに分布する。各地の山野に普通にみられる。根は白色で肥厚し,茎は高さ 40~100cmに達する。形態に変化の多い植物で,根生葉は円心形であるが,茎葉は長楕円形,卵形,線状披針形などいろいろあり,鋸歯の形にも変化が多く,また葉序も通常は3~4枚の輪生が多いが,互生,対生など株により非常に変異に富む。秋,円錐花序を頂生し,淡い青紫色で長さ 2cmほどの鐘形の花を下向きにつける。地方によってはトトキと呼び,古くから若葉食用にし,また根を干して薬用にした。なお,本種の母種はサイヨウシャジンと呼ばれ南九州から南西諸島を経て台湾や華南にまで分布している。花冠は壺形で先がすぼみ,長さ 1cm弱である。

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