チンチラ(英語表記)chinchilla

翻訳|chinchilla

精選版 日本国語大辞典 「チンチラ」の意味・読み・例文・類語

チンチラ

〘名〙 (chinchilla)
① チンチラ科の哺乳類体長約二五センチメートル。尾の長さは体の半分くらい。一見リスウサギに似ていて、耳が大きく丸い。体毛は青灰色と黒の霜降りで、絹状で柔らかい。チリ北部のアンデス山脈高山地帯に分布し、草食性で、昼は穴の中にすむ。毛皮は最高級品の一つとされ、養殖もされる。チンチラねずみ。けいとねずみ。

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デジタル大辞泉 「チンチラ」の意味・読み・例文・類語

チンチラ(chinchilla)

齧歯げっし目チンチラ科の哺乳類。体長23~38センチ。毛は灰青色をし、きわめて細く柔らかで、密生する。尾は房状南アメリカアンデス山脈高地に分布するが、乱獲によって激減し保護される。毛皮用に養殖もされる。けいとねずみ。
ペルシア猫のうち、被毛が白く、毛先にのみ色がついているもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「チンチラ」の意味・わかりやすい解説

チンチラ
chinchilla

齧歯(げつし)目チンチラ科Chinchillidaeの哺乳類の総称外形がウサギとリスの双方に似ている。南アメリカのアンデス山地に生息し,チリ北部のチリチンチラChinchilla lanigeraとチチカカ湖地方のチビオチンチラボリビアチンチラC.brevicaudataの1属2種がある。前者は体長25~26cm,尾長15cmで,後者は体長30~38cm,尾長8cmくらいである。体は長く柔らかなきわめて細い毛でおおわれ,ずんぐりしているが,四肢,とくに前脚は短い。耳介と目が大きく,尾は房状。前足に4指,後足に3指がある。体上面は青みがかった灰色,あるいは茶色っぽい灰色で,耳介の先がふつう黒い。体下面は黄白色。標高3000~5000mの荒地に生息し,岩の割れ目や岩穴に潜む。夕刻から早朝に活動するが,日中も岩穴付近で姿を見ることができる。いろいろな草を食べ,食べるときにはすわって前足で食物をもつ。繁殖期は冬で,この間に2~3回出産し,1腹1~6子,ふつう2~3子を生む。妊娠期間は平均111日。子は35gほどだがすでに毛が生えており,目も開いている。寿命は野生では10年ほどらしいが,飼育下では20歳に及び,15歳でも繁殖するものがある。

 チンチラはそのきわめて上質な毛皮が珍重され,16世紀に始まった毛皮目的の乱獲がたたり,20世紀初頭には絶滅寸前となった。南アメリカ各国で捕獲禁止,輸出禁止の処置がとられ,1920年代に入ってから人工的な繁殖にも成功し,何とか絶滅をまぬかれた。現在では増殖したチンチラを放ち,野生での個体数の増大が計られているが,まだ成功していない。
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百科事典マイペディア 「チンチラ」の意味・わかりやすい解説

チンチラ

齧歯(げっし)目チンチラ科の哺乳(ほにゅう)類。チリチンチラとも。形はリスに似て体長25〜26cm,尾長15cm。毛色は灰青色と黒色の霜降。チリのアンデス山脈に分布する。高山の荒地にすみ,夜出歩いて草を食べる。毛がきわめて細く柔らかで,毛皮はきわめて高価。乱獲されて一時絶滅にひんしたが,現在は保護され,米国をはじめ各国で毛皮用に養殖されている。1腹1〜6子,ふつう2〜3子を生む。同属にチチカカ湖地方のチビオチンチラ(ボリビアチンチラ)がある。
→関連項目チンチラウサギ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チンチラ」の意味・わかりやすい解説

チンチラ
Chinchilla laniger; chinchilla

齧歯目チンチラ科。体長 30cm,尾長 10cm内外。体は上面が灰褐色,下面が黄白色で,全身に柔らかい毛が生えている。耳と眼が大きい。夜行性。おもに植物質を食べるが,ときに昆虫類も捕食する。毛皮が上質で,乱獲されたため野生のものは激減し,現在いろいろと保護策が講じられている。南アメリカのチリ,ボリビアのアンデス山脈に分布し,標高 3000~6000mの高地の岩の間に群れをなしてすむ。

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犬&猫:ペットの品種がわかる事典 「チンチラ」の解説

チンチラ【Chinchilla】

猫の毛色のひとつ。毛の先端にわずかに濃色がある被毛のこと。日本ではチンチラという呼び名で知られている猫の品種があるが、ペルシャの毛色の一種である。

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世界大百科事典(旧版)内のチンチラの言及

【毛皮】より

…日本産の白色種は良質だが量が少ない。 チンチラchinchillaチンチラの毛皮。チンチラウサギとはまったくの別種。…

【グリソン】より

…顔,のど,首の下面,四肢は黒色,後頭から首,背,腰の背面と尾は灰色,頭頂から短い耳介と首側を通り前肢の基部に達する顕著な白帯がある。低地から標高1200mまでの森林や疎林に1対または小群ですみ,木の根や岩の下,倒木のうろ,ビスカチャ(チンチラに近縁の齧歯(げつし)類)などが掘った穴などをすみかとする。動作はすばやく,巧みに木に登り,またよく泳ぐ。…

【毛皮】より

…毛皮用に供される動物は100種以上にのぼるが,動物の希少価値,毛皮製品の使用性に応じて,その経済的価値には大きな差異を生ずる。高級毛皮としては,ミンク,キツネ,テン,チンチラ,カラクールなどがある。ミンク,キツネなどが飼養され,またメンヨウ,ヤギ,ウサギなどの家畜が多く利用されている。…

※「チンチラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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