チュマシュ族(読み)チュマシュぞく(英語表記)Chumash

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チュマシュ族」の意味・わかりやすい解説

チュマシュ族
チュマシュぞく
Chumash

アメリカ西海岸,ロサンゼルスからサンルイスオビスポまでの地域および島嶼部に居住していたアメリカインディアンの一民族。サンタクルーズ島に住む集団の自称「チュマシュ」が,一帯の8つ以上の自律集団の総称となった。ホカ語族に属するチュマシュ諸語には6つ以上の言語があったとされるが,記録される前にほとんどの話者が死に絶え,その言語と文化について多くは知られていない。スペイン人が侵入した 16世紀の人口は,約 8000~2万と推定される。沿岸地帯と島嶼部の集団はマグロなどの魚類や貝類,海獣をとり,内陸の集団は木の実,種子採集や,シカなどの狩猟を行なった。小さな集落に分散し,50人以上が入れるドーム型住居には父系の家族集団が居住,各村には共同の蒸し風呂もあった。 17世紀初頭までには,ほとんどがカトリック教会周辺に移されて農園や工場の労働者として使われた結果,伝統的文化と社会は崩壊し,今日では人口 100人未満といわれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android