チャンジャフトクト(英語表記)Janggiya(Lcang skya)khutugtu

改訂新版 世界大百科事典 「チャンジャフトクト」の意味・わかりやすい解説

チャンジャ・フトクト (章嘉呼図克図
)
Janggiya(Lcang skya)khutugtu

中国,清代内モンゴルの最高の活仏で黄帽派(ゲルー派)ラマ教主の名称。その初代活仏ロサンチョエデン(1642-1715)は青海地方に生まれ,ダライ・ラマ5世の弟子となったのち,1693年(康熙32)勅命を奉じて北京に来た。97年勅命により内モンゴルのドロン・ノール(多倫諾爾)に彙宗寺を建立して与えられた。1712年北京に嵩祝寺を建立した。第2代活仏ロルペイドルジェ(1717-86)は甘粛に生まれ,24年(雍正2)来京し,31年勅命によりドロン・ノールに善因寺を建立して与えられた。勅命により初代活仏はカンギュル(甘珠爾)の,第2代活仏はテンギュル(丹珠爾)のそれぞれモンゴル語翻訳事業を主宰した。歴代のチャンジャ・フトクトは清の皇室の手厚い保護をうけたが,第6代活仏(1891-?)も民国政府に重用されモンゴル族チベット族宣撫工作に当たった。彼の1930年代以降の消息は不明である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android