チャレンジスクール(読み)ちゃれんじすくーる

デジタル大辞泉 「チャレンジスクール」の意味・読み・例文・類語

チャレンジ‐スクール(challenge school)

東京都が高校中途退学者・中学不登校者のために開校した3部制(午前・午後・夜間)、単位制の定時制高等学校。国語数学・英語などだけでなく、芸術・福祉などの実習科目にも重点を置く。入学に際し学科選考はなく、志願申告書・作文面接を総合して選考する。第1号の桐ヶ丘高校は平成12年(2000)4月に開校。
[補説]桐ヶ丘・世田谷泉・大江戸・六本木・稔ヶ丘・小台橋高校の6校があり、八王子拓真高校がチャレンジ枠を設けている(令和6年現在)。令和7年(2025)に立川市に7校目のチャレンジスクールが開校予定。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャレンジスクール」の意味・わかりやすい解説

チャレンジスクール
ちゃれんじすくーる

小学校や中学校での不登校や、高等学校での中途退学などで、学校に通うことができなかった生徒を支援するため、東京都が設置する高等学校の一つ。原則として、午前部、昼間部、夜間部の三部制(定時制)で、学校ごとに多様な選択科目を設けた単位制の総合学科高校である。特徴は、入学時の選抜において、一般的な学力検査や出身校の調査書の提出が不要なことで、かわりに意欲を計る目的で、志願申告書と作文が課され、面接が実施される。入学後の留年はなく、最長6年間まで在籍することが可能である。卒業には74単位の修得が必要で、そのうち20単位までは漢字検定英語検定、歴史能力検定、TOEIC(トーイック)などの技能検定に合格することや、ボランティア活動などで修得できるほか、高等学校卒業程度認定試験の活用も可能である。2015年(平成27)時点で、桐ヶ丘(きりがおか)高校(北区)、世田谷泉(せたがやいずみ)高校(世田谷区)、大江戸(おおえど)高校(江東区)、六本木(ろっぽんぎ)高校(港区)、稔ヶ丘(みのりがおか)高校(中野区)の5校があり、このほかに同様の受験枠を併設している八王子拓真(はちおうじたくしん)高校(八王子市)がある。学校ごとに、進学やスポーツの強化など、それぞれに支援する特徴を打ち出しており、校風各校に明確な違いがある。

 5校平均の入試倍率は、毎年1.5~2倍程度で推移しており、全校に占める不登校経験者の割合はおよそ7割を占めている。東京都では2015年度より、中途退学が多い都立高校を対象に、チャレンジスクールなどへの転学試験制度についての情報提供や、生徒などからの相談に応じる活動を試験的に始めている。

 多部定時制の単位制高校を設置する動きは全国的に広がりつつあり、これまで大阪府や神奈川県でクリエイティブスクール、埼玉県のパレットスクールなどの名称で東京都と同様の高校が設立されている。

[編集部]

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