チャド湖(読み)チャドこ(英語表記)Lac Tchad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャド湖」の意味・わかりやすい解説

チャド湖
チャドこ
Lac Tchad

アフリカ大陸中西部,サヘル地方に位置する湖。チャドニジェールナイジェリアカメルーンの 4ヵ国にまたがる。シャリ川ロゴネ川が南岸から,コマデュグヨベ川が南西岸から流入。流出河川はないが,地下水がエルガザル涸れ川に沿ってチャド西部のボデレ窪地を潤し,オアシスを形成。南東と南西部の湖岸湿地で,水辺植物に覆われる。チャド領内では天然ソーダを産する。周辺は肥沃で,牧畜などが行なわれ,東部の島などでは漁業も盛ん。航行はシャリ川河口と北東岸のボルの間にかぎられる。水量は季節により大きく変化する。1960年代頃から砂漠化の進行によって著しく狭小化し,1870年に 2万8000km2だった湖水面積は,21世紀初頭には約 1500km2にまで激減した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャド湖」の意味・わかりやすい解説

チャド湖
ちゃどこ
Lake Chad

アフリカ中部、チャド、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンの4か国にまたがる湖。チャリ川、ロゴーヌ川などが流入し、流出河川はない。1960年代には湖面の標高約280メートル、平均水深約2メートル、面積約2万5000平方キロメートルであったが、1985年には干魃(かんばつ)のため面積が約3000平方キロメートルにまで縮小した。1万数千年前には湖水はほとんど消失し、逆に8000~9000年前には面積は約34万平方キロメートルに達し、その水はベヌエ川からギニア湾に流出していた。

[田村俊和]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉 「チャド湖」の意味・読み・例文・類語

チャド‐こ【チャド湖】

Lake Chad》アフリカ中部、サハラ砂漠南端にある塩湖。チャド、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンの国境に位置する。シャリ川、ロゴーヌ川などが流入し、河川の流出はない。面積は降水量により著しく変化する。また、20世紀後半から灌漑かんがいなどの影響により急激な面積の縮小が進んでいる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「チャド湖」の意味・読み・例文・類語

チャド‐こ【チャド湖】

アフリカ大陸中央部、チャド・ニジェール・ナイジェリア・カメルーンの国境にある塩湖。シャリ川・ロゴネ川などが流入するが、河川の流出はない。雨季乾季で面積が異なる。古代からの内陸隊商路の交差点にあたる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

サルノコシカケ

サルノコシカケ科やその近縁のキノコの総称。日本では4科約40属300種が知られ,ブナ林に日本特産種が多い。樹木の幹につき,半円形,木質で厚く堅く,上面には同心円紋があるものが多い。下面には無数の穴があ...

サルノコシカケの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android