チャイルド(Vere Gordon Childe)(読み)ちゃいるど(英語表記)Vere Gordon Childe

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

チャイルド(Vere Gordon Childe)
ちゃいるど
Vere Gordon Childe
(1892―1957)

イギリス考古学者。オーストラリア、シドニー出身。オックスフォード大学卒業後、王立人類学研究所司書となり(1925~27)、1925年に刊行した『ヨーロッパ文明のあけぼの』は学界に大きな衝撃を与えた。本書の内容は彼の学説基幹となるもので、それは、生産経済はオリエントで始まり、ヨーロッパ、アジアに波及して各地に生産経済に基づく文化を形成させたとするものである。27年にエジンバラ大学教授、45年にはロンドン大学教授となった。ヨーロッパ諸国、近東諸国、ロシアなどに精力的に研究旅行し、ヨーロッパ遠古の文化の再構成を企て、精力的に著作を刊行した。退官後故郷のオーストラリアで事故死した。著書に『考古学とは何か』『アジア文明の起源』『歴史のあけぼの』などがある。

[寺島孝一]

『近藤義郎・木村祀子訳『考古学とは何か』(岩波新書)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android