チタ(英語表記)Chita

精選版 日本国語大辞典 「チタ」の意味・読み・例文・類語

チタ

ita) ロシア連邦東シベリアの都市。バイカル湖の東方、ヤブロノイ山脈のふもとにある。一六五三年、コサック要塞として建設され、一九世紀にはデカブリストの流刑地として知られた。一九〇〇年シベリア鉄道ザバイカル線が開通

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「チタ」の意味・読み・例文・類語

チタ(Chita/Чита)

ロシア連邦中部、ザバイカリエ地方の都市。バイカル湖の東方、インゴダ川と支流チタ川の合流点に位置する。シベリア鉄道に沿う交通の要地。機械工業軽工業が盛ん。17世紀末の創建。19世紀前半にデカブリストの流刑地になった。1920年代に極東共和国の首都が置かれた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「チタ」の意味・わかりやすい解説

チタ
Chita

ロシア連邦東部,同名州の州都。人口30万8492(2004)。1653年よりインゴジンスコエIngodinskoe越冬部落として知られるようになり,1706年チティンスコエChitinskoe村と改称,コサックおよび毛皮獣狩猟者が多く住んだ。19世紀前半にはデカブリストがこの地で苦役に服したことで有名になる。1851年市となり,ザバイカル州の行政の中心となった。1900年にはこの町を通るシベリア鉄道のザバイカル線が建設され,工業,とくに金の採掘と林業が盛んとなる。05年の革命に際しては,兵士・コサック代表ソビエトが結成され,05年12月から06年1月にかけて〈チタ共和国〉が樹立されたが,政府軍によって壊滅させられた。十月革命後の18年9月から日本軍と白衛軍(セミョーノフ軍)によって占領されたが,20年10月パルチザンによって奪還され,22年11月まで〈極東共和国〉の首都となった。以後,旧ソ連邦東シベリアの産業・文化の一中心として成長し,機械製造,自動車組立て,食品加工,家具製造などが盛んである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チタ」の意味・わかりやすい解説

チタ
Chita

ロシア中東部,東シベリア南部の旧州域。南部に旧アガブリヤート自治管区を含む。中心地チタ。2008年チタ州とアガブリヤート自治管区が統合してザバイカリスキー地方となった。ザバイカリエにあり,南はモンゴルに,南東は中国に接して位置する。大部分が起伏に富んだ山地,丘陵地帯で,ヤブロノブイ山脈をはじめとする多数の山脈が連なる。北部はレナ川上流域,中・南部はアムール川源流域に属する。大陸性気候で,1月の平均気温-33~-26℃,7月は 17~21℃。年降水量 250~400mm。大部分が針葉樹林地帯に入るが,南部に森林ステップ,ステップ地帯がみられる。鉱物資源に恵まれ,金,スズタングステン,モリブデン,鉛,亜鉛,石炭などを埋蔵し,鉱工業はそれらの採掘と 1次加工を中心に,鉄鋼,機械,製材,食品,皮革・毛皮などが主要部門である。農業は牧羊が中心で,トナカイ,キツネ,リスなどの飼養も行なわれる。主要交通路は中央部を東西に通るシベリア横断鉄道で,チタの南東で中国方面へ通じる路線が分岐する。南東部では道路網が比較的発達している。

チタ
Chita

ロシア中東部,東シベリア南部,ザバイカリスキー地方の行政中心地。旧チタ州の州都であった。ウランウデと並ぶザバイカリエの中心都市で,アムール川水系のインゴダ川にチタ川が合流する地点に位置する。1653年コサックの冬営所が設けられたことに始まり,1690年要塞が築かれ,中国との交易で栄えた。1825年12月の蜂起に失敗したのち,この地に流刑にされたデカブリストが市の繁栄に貢献,1900年シベリア横断鉄道が通じてから急速に発展した。機関車・鉄道車両修理,機械,木材加工,食品,皮革・毛皮などの工業があり,繊維コンビナート,自動車工場も建設されている。また近郊に炭田があり採炭が盛ん。医科,教育の各大学がある。シベリア鉄道の主要駅があるとともに,国際空港があり,ロシア各地と結ばれている。人口 32万3964(2010)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チタ」の意味・わかりやすい解説

チタ
ちた
Чита/Chita

ロシア連邦中部、チタ州の州都。ザバイカル(バイカル湖東部)のインゴダ川に支流チタ川が合流する地点にある。シベリア鉄道に沿い、自動車道の中心で空港もあり、交通の要地。人口31万4300(1999)。付近で褐炭を産し、機械製造(自動車組立て、工作機、機関車・車両修理)、軽工業(家具・木工、毛織物、皮革・履き物、毛皮)、食料品(製粉、精肉、乳業)などの工業がある。起源は1653年建設の冬営所で、1690年に村となり、99年に柵(さく)(要塞(ようさい))が建設され、そこへ1827年デカブリストが流刑された。1851年に市となり、1900年にザバイカル鉄道が開通。1920~22年の間は極東共和国の首都。

[三上正利]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「チタ」の意味・わかりやすい解説

チタ

ロシア,東部シベリアの都市で,同名州の州都。ヤブロノボ山脈南西麓,アムール川の支流インゴダ川とチタ川の合流点にあり,石炭を産し,機械,車両,木材加工,製粉,織物などの工業が行われる。1653年建設。19世紀前半には〈デカブリストの乱〉の流刑地になる。1918年日本軍により占領,1920年―1922年,〈極東共和国〉の首都。30万7950人(2009)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android