チェディアック・東症候群(読み)チェディアック・ひがししょうこうぐん(英語表記)Chediak-Higashi syndrome

六訂版 家庭医学大全科 の解説

チェディアック・東症候群
チェディアック・ひがししょうこうぐん
Chediak-Higashi syndrome
(子どもの病気)

どんな病気か

 白血球やさまざまな体細胞に巨大顆粒(かりゅう)が認められる、常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)による先天性免疫不全症です。食細胞(主に好中球)が減るとともに、食胞内での殺菌能が低下して()感染性(感染しやすい)を示し、極めて予後が悪い病気です。

原因は何か

 細胞内での殺菌・消化のメカニズムの一部であるリソソーム形成と小胞間輸送という部位の障害が原因と考えられています。

症状の現れ方

 乳児期から重い感染症を繰り返します。好中球の障害による細菌真菌(しんきん)感染だけでなく、NK細胞や細胞障害性T細胞などのリンパ球活性の低下があり、ウイルス感染も重症化します。巨大顆粒メラニン細胞や神経細胞にも認められ、それぞれ部分的白皮症や知能障害、けいれんなどの神経症状を示します。

 増悪期には悪性リンパ腫血球貪食(けっきゅうどんしょく)症候群に似た病態を示し、致死的な経過をとる場合があります。

治療の方法

 造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植をできるだけ早期に行うことが、現時点では唯一の治癒を望める治療法です。

高橋 良博, 伊藤 悦朗

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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