ダチョウ目(読み)だちょうもく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダチョウ目」の意味・わかりやすい解説

ダチョウ目
だちょうもく

鳥綱の1目。この目Struthioniformesは、走鳥類Ratitaeとして一括されるダチョウ科Struthionidae、レア科Rheidae、ヒクイドリ科Casuariidae、エミュー科Dromaiidae、エピオルニス科Aepyornithidae、モア科Dinornithidae、キーウィ科Apterygidaeを含む。したがって、ダチョウ目と走鳥類は同義であるが、人によっては、ダチョウ、レア、ヒクイドリ、エピオルニス、モア、キーウィの諸科をそれぞれ独立の目とし、エミュー科はヒクイドリ目に含める。この場合のダチョウ目は、ダチョウ科1科だけからなる。一方、人によってはシギダチョウまで走鳥類に入れるが、この意見はごく少数の人によって支持されているにすぎない。走鳥類(広義のダチョウ目)はエミュー型の口蓋(こうがい)骨、胸骨の竜骨突起の欠除、鎖骨退化、そのほか多くの解剖学的および骨格的特性によって特徴づけられ、また翼が退化して、飛ぶ能力がない。現在広く支持されている学説は、走鳥類は一つの共通の祖先に由来するが、各科は古い時代に分化し、現在はその子孫が遺存的に残っているとする。しかし、走鳥類にはいくつかの異なった祖先があり、無飛力化とそれに伴う大形化への適応として、平行進化がおこったとみる考えもないわけではない。

[森岡弘之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「ダチョウ目」の解説

ダチョウ目

鳥綱の目。ダチョウ科のみで構成される。現生鳥類のなかでも原始的な系統と考えられている。

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