ダウ(英語表記)Gerrit Dou

精選版 日本国語大辞典 「ダウ」の意味・読み・例文・類語

ダウ

※夢を失わず(1959‐60)〈源氏鶏太〉株「前場の終わり値のダウは九百五十一円八十三銭となり」

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デジタル大辞泉 「ダウ」の意味・読み・例文・類語

ダウ(Dow)

ダウ平均株価」の略。特に、ダウ工業株30種平均のこと。

ダウ(dhow)

アラビア半島沿岸からインド洋にかけ、アラビア人が古くから使っている木造帆船。大三角帆を装備し、船脚が速い。

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改訂新版 世界大百科事典 「ダウ」の意味・わかりやすい解説

ダウ
Gerrit Dou
生没年:1613-75

オランダの風俗画家。ライデンに生まれ同地で没。はじめ父親の職業であるガラス装飾彫師の修業をし,12歳でガラス職人組合に入るが,1628年当時まだ21歳の画家レンブラントの最初の弟子となり,おそらく師がアムステルダムに移るまでの4年間その工房にとどまった。この時期の画風は初期のレンブラントに忠実に倣ったもので,今日でもどちらが真の作者か議論の分かれる作品が少なくない。しかし独立後は,物語画を重視したレンブラントとは異なり,風俗画の分野における第一人者としての地位を固めて多くの弟子や模倣者を生み出した。彼が最も得意としたのは,アーチ型の窓の外から眺めた家庭や商店の室内およびろうそくの火が生む明暗の効果を生かした室内夜景である。ダウ一派の絵は筆触をまったく残さずエナメルのように滑らかに表面を仕上げた精緻な小画面絵画であるため,彼らは一般に〈ライデンの滑沢細密画派Leidse Fijnschilders〉と呼ばれる。彼らの作品は後世においても長らくオランダ風俗画の典型として尊重されたが,印象派の台頭以後はかつてほどの高い評価を博していない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダウ」の意味・わかりやすい解説

ダウ
Dow Inc.

アメリカ合衆国の総合化学メーカー。1897年臭素抽出を行なうミッドランド・ケミカルの廃水を漂白して塩素を製造するためにハーバート・H.ダウによって設立された。1900年ミッドランド・ケミカル,ダウ・プロセスの両社を合併,1947年に改組してダウ・ケミカルを設立。この間 1942年には子会社ダウ・ケミカル・カナダ,1943年にはダウ・コーニングを設立して事業を拡大,さらに海外事業も積極的に展開し,ヨーロッパを中心に子会社を設立した。塩素,カセイソーダ,有機化学製品,マグネシウムなどを生産する化学・金属部門を中心に ABS樹脂ポリエチレン,コーティング剤などのプラスチック・包装資材部門,農薬などの消費財部門で事業展開した。一時期は事業の多角化に努めたが路線を転換し,医薬品,家庭用品部門の売却を進めるとともに,中南米や東ヨーロッパ,アジアなどへの販路拡大をはかった。1999年にユニオン・カーバイド,2009年にはローム・アンド・ハースを買収。2017年にはデュポンとの対等経営統合を完了,持株会社ダウ・デュポンが設立された。2019年に素材科学事業部門が新会社ダウとして分離独立した。

ダウ
Dow, Herbert H.

[生]1866.2.26. カナダ,ベルビル
[没]1930.10.15. アメリカ合衆国,ミネソタ,ロチェスター
アメリカ合衆国の工業化学者。フルネーム Herbert Henry Dow。ケース応用科学学校に学んだ。電解法で塩水から臭素を取り出す研究に専念し,その企業化に成功した。これが 1897年のダウ・ケミカル(→ダウ)創立の基礎となった。塩水から硫酸マグネシウムをつくることにも成功し,またアメリカで初めて合成染料の製造を手がけた。65をこえる特許を取り,1930年パーキン・メダルを授与された。

ダウ
Dow, Neal

[生]1804.3.20. メーン,ポートランド
[没]1897.10.2. メーン,ポートランド
アメリカの政治家,禁酒運動家。 1838年メーン禁酒同盟を設立して,51~58年ポートランド市長をつとめ,51年州立法による禁酒法の制定を成功させた。南北戦争には北軍准将として活躍。戦後禁酒運動を再開し,80年の大統領選挙には禁酒党から立候補した。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ダウ」の解説

ダウ

ニューヨーク証券取引所に上場する国際的な優良銘柄30社で構成される、国際標準とも言える株価指数。NYダウとも言う。1896年にダウ・ジョーンズ社が開発した。当初は12銘柄による平均株価としてスタートし、1928年以降は30銘柄で構成されている。

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世界大百科事典(旧版)内のダウの言及

【インド洋】より

…中国の史書に波斯船(ペルシア船。義浄はこの船で渡印した),次いで大食(タージ)船(アラブ船,イスラム船)として現れる彼らの船は,1本マストで三角帆,側板の接合に鉄釘を用いずヤシの繊維の縄で縫ったダウdhowとよばれる小型船であった。後述の中国船と同じく,ペルシア湾の奥から広州まで単純計算で3ヵ月,しかし風向きの関係で実際は1年,往復で2年かかった。…

【水運】より

…18世紀の後半,ベルリンは巨大な人口をもつ都市に発展したが,この人口増加は,ハーベル,シュプレー両川による廉価な輸送なくしては考えられなかった。18世紀末,ベルリン,ポツダムおよびシュパンダウを結ぶ三角形の地域には18万人の人口が存在した。この地域の1人平均年間生活物資消費量を約200kgとしたとき,全人口の消費量3万6000tは,当時この周辺の河川で稼働していた平均積載能力50tの船700隻によって,はじめて供給されえたのである(F.W.ヘニングの推計による)。…

【モンスーン】より

…この冬と夏の航海期に合わせ,ペルシア湾やアラビア半島の諸港には,エジプトやシリアなどからキャラバン隊が結集し,インド洋貿易はキャラバンを通じて密接に地中海世界と結ばれていた。こうしたインド洋貿易に長く用いられてきたのがダウdhowとよばれる三角帆の縫合船であった。これは,インド洋西海岸やモルジブ産のチーク材,ココヤシ材を使ってつくられ,舷板の接合に釘を用いずヤシの繊維からつくったひもによって縫い合わせた独特の構造をもった船で,中世の史料では最大のもので艇身約35m,乗客約200人,約3tの積荷を積載した(家島彦一の研究による)。…

【輸送】より

…この季節風を利用すると3週間から1ヵ月にわたる連続航海が可能であった。船は,シュメール・アッシリア時代に起源をもつティグリス,ユーフラテス川で使われた葦船の系統をひき,ダウdhowと呼ばれた。これはインド,東南アジア産のチーク,ラワン,ココヤシなどの木材を使い,タールと縄で縫合した三角帆の船である。…

※「ダウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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