ダウガフピルス(英語表記)Daugavpils

デジタル大辞泉 「ダウガフピルス」の意味・読み・例文・類語

ダウガフピルス(Daugavpils)

ラトビア南東部、ゼムガレ地方の都市ダウガバ川沿いに位置する。首都リガに次ぐ同国第2の都市。13世紀にリボニア騎士団が建てた城を中心に建設し、当時はドイツ語名でデュナブルクと呼ばれた。その後ポーランド帝政ロシアに支配され、モスクワ・ワルシャワ間の鉄道の経由地となった。皇帝アレクサンドル3世によりドビンスクと改称され、ラトビア独立後の1920年に現名称になった。ナポレオン1世によるロシア遠征時に帝政ロシア軍の拠点となったダウガフピルス要塞が有名。ダウガウピルス。ダウカフピルス。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダウガフピルス」の意味・わかりやすい解説

ダウガフピルス
Daugavpils

旧称ドビンスク Dvinsk (ロシア語) ,ドイツ語名デューナブルク Dünaburg。ラトビア南東部の都市。ダウガバ (西ドビナ) 川にのぞみ,首都リガの南東約 200kmに位置する。 1278年にドイツ騎士団が築いた要塞を中心に発展。ロシア皇帝イワン4世の攻撃によって破壊されたが,1577年に同皇帝により再建された。その後ポーランド領となり,1772年第1回ポーランド分割によってロシア領,1920年にラトビア領,40~91年はソ連が併合した。 1860年代にペテログラード (現サンクトペテルブルグ) -ワルシャワ間,リガ-オリョール間の鉄道が建設され,その交差点に位置する町として発展した。現在,化繊,自転車,家具,製靴,食品などの工業がある。教育大学がある。ハイウェーの分岐点でもあり,河港もある。人口 12万 9000 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダウガフピルス」の意味・わかりやすい解説

ダウガフピルス
だうがふぴるす
Даугавпилс/Daugavpils

ラトビア共和国の都市。首都リガに次ぐ共和国第二の都市であり、人口11万4829(2000)。ロシア語名ドビンスクДвинск/Dvinsk、ドイツ語名デューナブルクDünaburg。ダウガバ(西ドビナ)川の河岸に位置し、河口近くの首都リガから南東220キロメートル上流にある。鉄道交通の要地で、木材農産物(とくに穀物、亜麻(あま))の集散地。化学、金属加工、食品、軽工業が盛ん。機関車修理工場は有名。1275年リボニア騎士団によって建設された古い都市で、以後ロシア、ポーランド、スウェーデン、ドイツの各国が領有を争った。

[山本 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ダウガフピルス」の意味・わかりやすい解説

ダウガフピルス

ラトビアの南東部の都市。ダウガバ川に沿い,リトアニア,ベラルーシとの国境近くに位置する。地名は〈ダウガバ川の城〉を意味し,町は1270年代にドイツのリボニア騎士団が築いた要塞に起源をもつ。かつてはロシア語でドビンスクと呼ばれ,ドイツ語ではデューナブルクという。同国内陸部の商工業の最大主要都市で,また周辺の各地に通ずる鉄道が集中する交通の中心でもある。人口9万3312人(2011)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android