タンボラ山(読み)タンボラサン

デジタル大辞泉 「タンボラ山」の意味・読み・例文・類語

タンボラ‐さん【タンボラ山】

Gunung Tambora》インドネシア南部、小スンダ列島スンバワ島にある活火山。同島北部のサンガル半島の大部分を占める。標高2850メートル。19世紀以降、世界最大規模の噴火を起こしていることで知られ、1815年の大噴火では1万人死亡し、その後の飢饉ききん疫病により死者は9万人に上ったといわれる。かつて山頂は標高4000メートル近くあったが、深さ1100メートルもの巨大なカルデラが形成された。翌年には大量の火山灰が原因と思われる異常低温が世界各地で発生した。タンボラ火山

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改訂新版 世界大百科事典 「タンボラ山」の意味・わかりやすい解説

タンボラ[山]
Gunung Tambora

インドネシア,スンバワ島のサンガル半島の大部分を占めている基底直径約40kmの成層火山。標高2851m。山頂には直径約6km,深さ約600mの火口がある。1815年の噴火は歴史に記録された世界最大の噴火とされている。4月10~12日の大爆発音は1750kmまで聞こえ,500km離れたマドゥラ島ではその火山灰のため3日間暗闇が続いた。高さ3900mあった山頂は2851mに減じ,上記火口が生じた。消失した山体は約30km3,噴出物の体積は100~150km3と見積もられている。噴火後数ヵ月にわたって世界各地で異常な夕焼けが見られ,この年の夏は異常に低温であった。火山噴火の噴出物が大気中に拡散した例としては,1783年のラキ山(アイスランド)および浅間山,1883年のクラカタウの噴火をもしのぐものである。噴火による犠牲者は,その後の飢饉,疫病によるものをも含めて9万2000人とも5万8000人ともいわれている。この火山の主たる岩石は,白リュウ石を含んだ安山岩-玄武岩系である。なお,現在の活動は火口底の噴気活動だけである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンボラ山」の意味・わかりやすい解説

タンボラ山
タンボラさん
Gunung Tambora

インドネシア南部,小スンダ列島スンバワ島北部の火山。標高 2850m。1815年に大噴火を起こし,約 1万人が死亡。山の高さは 4000mから 2850mへと低下した。

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世界大百科事典(旧版)内のタンボラ山の言及

【スンバワ[島]】より

…内陸部諸所に新期の火山が噴出する。北岸中央の最高峰タンボラ火山(2850m)はかつては標高4000mを超えていたが,1815年の大爆発(有史以来,世界屈指の爆発として知られる。死者5万)で現在の高さになった。…

※「タンボラ山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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