タロンガ動物園(読み)タロンガどうぶつえん(英語表記)Taronga Zoo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タロンガ動物園」の意味・わかりやすい解説

タロンガ動物園
タロンガどうぶつえん
Taronga Zoo

オーストラリアニューサウスウェールズ州の州都シドニーのタロンガパークにある動物園。1884年にシドニー郊外で一般公開された。当初はムーアパーク動物園と呼ばれ,開園時の動物は哺乳類 228点,鳥類 552点,爬虫類 64点。1912年頃には従来の敷地が手狭になったため,州政府がシドニー港の北側にあるタロンガパーク内の用地を供与し,1916年約 21万m2の新しい動物園が公開された。以来拡張を続け,今日では敷地面積 28万m2にいたる。移転後は 1923年キリン舎,1927年水族館,1932年ヒマラヤタールの展示施設であるタール山,1939年トラの展示施設であるタイガーピットを新設。当初はニューサウスウェールズ動物学協会(1879創立)により運営されていたが,1973年からニューサウスウェールズ動物園理事会の賛助下に入った。オーストラリアの厳しい外来生物規制のため,700種以上 4000点の飼育動物はおもにオーストラリア在来の野生動物で構成されている。超希少種のマウンテンピグミーポッサム,コアラ,フサオネズミカンガルー,パルマワラビー(→ワラビー)などの繁殖に成功してきた。鳥類の収集も広汎にわたり,1972年に公開された熱帯雨林鳥類舎では,きわめて珍しいコトドリや,ニワシドリミツスイヒメアオバトなどが飼育されている。またオーストラリア在来種のオウムのほぼ全種を所有し,キーウィの繁殖を行なっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タロンガ動物園」の意味・わかりやすい解説

タロンガ動物園
たろんがどうぶつえん
Taronga Zoo

オーストラリアを代表する動物園の一つで、シドニーにある。1881年にニュー・サウス・ウェールズ動物学会により、約3ヘクタールの小さな動物園として、オールド・ムーア・パークOld Moore Park内に設立された。1916年にシドニー湾に面した現在の場所に移り発展した。オーストラリア産の動物のほか、アフリカ産の動物も多い。夜行獣館、水族館などの施設もある。学校と連携した教育活動にも力を入れている。1973年以降はニュー・サウス・ウェールズ州の財政援助を受けて、動物園委員会により運営されている。2002年の飼育動物は365種2340点。面積は28ヘクタール。1984年(昭和59)10月に日本に初渡来した6頭のコアラのうち4頭はこの動物園から贈られた。同じ州内のダッボに、大形草食獣を集めた分園としてウェスタン・プレインズ動物園Western Plains Zooがある。こちらの面積は850ヘクタールである。

[祖谷勝紀]

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世界の観光地名がわかる事典 「タロンガ動物園」の解説

タロンガどうぶつえん【タロンガ動物園】

オーストラリア最大の都市シドニーのシドニー港を挟んでシティ反対側に位置する動物園。約30万m2の広さに、約380種、2200頭以上もの動物を飼育している。オーストラリア固有の動物のほか、世界中のさまざまな動物を間近で見ることができる。また、湾に面した傾斜地にあるため、シドニー港も一望できる。◇「タロンガ」はアボリジニ語で「美しい水の眺め」という意味

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