タルバガン

精選版 日本国語大辞典 「タルバガン」の意味・読み・例文・類語

タルバガン

〘名〙 (tarbagan 元来はモンゴル語) リス科の哺乳類マーモット一種体長五〇センチメートルぐらいで、体形アナグマに似ている。尾と耳は短い。四肢は太くて短く、強大なつめをもつ。背面赤褐色から黄褐色、腹面は淡黄褐色で尾は黒い。東ヨーロッパから旧ソ連南部などに分布し、草原群生して穴を掘ってすむ。毛皮は優良で、テンの代用品となるがペスト菌媒介をするノミが寄生する。ボバクマーモット

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デジタル大辞泉 「タルバガン」の意味・読み・例文・類語

タルバガン(talbaghan)

リス科の哺乳類。マーモットの仲間。体長約50センチ。四肢は太くて短い。モンゴルの草原にすみ、地中巣穴をつくる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タルバガン」の意味・わかりやすい解説

タルバガン
たるばがん
steppe marmot
bobac
[学] Marmota bobak

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目リス科の動物。マーモットの1種で、ネパールシッキムカシミール、ラダックの標高4000~5000メートルの山地に生息する。体長60センチメートル、尾長13センチメートル。地中に大規模な巣穴を掘り、群れで生活する。

[今泉吉晴]

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百科事典マイペディア 「タルバガン」の意味・わかりやすい解説

タルバガン

タルバハン,ボバックとも。齧歯(げっし)目リス科の哺乳(ほにゅう)類。体長50cm,尾10cmほど。体色はヨーロッパにすむものは赤褐色,アジアのものは明るい麦茶色。ポーランド〜ロシア,中央アジア,中国東北部などに分布。乾燥した草原などに家族群ですむ。9〜4月ころまで深い穴に入り冬眠する。毛皮は優良だが,本種に寄生するノミがペスト菌を保有するといわれる。ヨーロッパに近縁種のマーモットがすむ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タルバガン」の意味・わかりやすい解説

タルバガン
Marmota bobak; bobak marmot

ボバクマーモットともいう。タルバガンは蒙古語。齧歯目リス科。体長 50cm内外。胴は太く,四肢は短く,爪はがんじょうである。頭部は暗褐色,背面は黄褐色,腹面は淡黄褐色。毛皮はテンに似てすぐれ,肉は食用になる。ロシア南部,モンゴル,中国東北部,チベットなどの草原に群生して穴居し,冬眠する。腺ペストを媒介するノミの宿主となる。

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世界大百科事典(旧版)内のタルバガンの言及

【ボバック】より

…別名,タルバハン,タルバガン(tarbagan)。齧歯(げつし)目リス科の哺乳類。…

※「タルバガン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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