タフト=ハートレー法(読み)タフト=ハートレーほう(英語表記)Taft-Hartley Act

翻訳|Taft-Hartley Act

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タフト=ハートレー法」の意味・わかりやすい解説

タフト=ハートレー法
タフト=ハートレーほう
Taft-Hartley Act

1947年に制定されたアメリカの労使関係法 Labor Management Relations Actの俗称。アメリカの労働組合はワーグナー法 (1935) により,その組織と力を伸張し続けた結果,1940年代には,あまりにも強力な存在になりすぎたとみられるにいたった。 1946年の鉄道電気石炭産業などにおける大争議が発生するやいなや,世論も労働組合の力と活動をある程度制限すべきであるとの方向に傾いたため,ワーグナー法を修正した本法がトルーマン大統領の拒否権を乗越えて制定された。おもな内容は (1) 労働組合の不当労働行為禁止規定の新設,(2) クローズド・ショップの禁止およびユニオン・ショップの制限,(3) 第2次ボイコットの禁止,(4) 縄張り争いのストライキの禁止,(5) 全国緊急事態を発生させるようなストライキ,工場閉鎖に対して政府が裁判所を通じて 80日間停止を命じることができるようにすること,(6) 組合も使用者と同様,労働協約違反につき法的責任を負うこと,(7) 連邦公務員および政府企業従業員のストライキの禁止などであった。本法による労働組合活動の制限は,後年のランドラム=グリフィン法によって強められた。

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