タチアノス(英語表記)Tatianos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タチアノス」の意味・わかりやすい解説

タチアノス
Tatianos

[生]120頃.シリア
[没]173
シリア出身のキリスト教護教家。のち異端者となる。ギリシアで文学および哲学の教育を受けた。殉教者ユスチノスの弟子。哲学的概念とカテゴリーを用いて独自の神学を展開したが異教的詭弁とキリスト教の英知を鋭く区別し,ギリシア哲学およびその文化を攻撃した。ユスチノスの死後教会を捨ててウァレンチヌスグノーシス派と接しエンクラディス派教団を組織した。極端な厳格主義者でぶどう酒を飲むことも結婚も非難した。著書『ギリシア人への提言』 Logos pros Hellēnas (165頃) のほか,4福音書を合体編集した『ディアテッサロン』 Diatessaronが有名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android