タタール・モンゴル(読み)たたーるもんごる

世界大百科事典(旧版)内のタタール・モンゴルの言及

【タタール】より

…【森川 哲雄】
[ロシア史におけるタタール]
 上述のように,タタールは初めは北東モンゴリアなどにいたモンゴル系遊牧民の北方グループの名称であったが,のちにはモンゴル高原に入ったトルコ系諸族をも含む遊牧騎馬民族の総称となった。西アジアやヨーロッパでも,13世紀にモンゴル世界帝国が成立したころから,モンゴル人だけでなく,その支配下のユーラシアのトルコ系諸族全体をあわせて,タタールまたはタタール・モンゴルと俗称するようになった。したがって,タタールの呼称は,特定の人種・民族の学問的名称であるよりは,農耕的文明世界からみてきわめて異質なアジア的遊牧社会の人々を,差別意識,違和感,ときとして恐怖感をもって総称する際に用いられる場合が少なくない。…

※「タタール・モンゴル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」