タジク語(読み)タジクご(英語表記)Tajik

改訂新版 世界大百科事典 「タジク語」の意味・わかりやすい解説

タジク語 (タジクご)
Tajik

ペルシア語などとともにイラン語派の西方方言群を形成する言語で,中央アジア・旧ソ連邦のタジキスタンウズベキスタンキルギスタンカザフスタンの各共和国やアフガニスタンイランイラク,中国新疆ウイグル自治区にまで広く分布するが,この言語の話者はイラン西方から北アフガニスタンを通ってタジキスタン共和国北東へかけての一帯に集中している。タジク語はふつう北西と南西の二大方言群に分類される。前者は旧ソ連邦内に,後者はそれを越えてアフガニスタン,イランなどに分布する。話者はタジキスタン共和国内には約280万人(1989),アフガニスタンに約350万人(1976)が確認されている。現在のロシア文字を使用するタジク文語は北西方言に基礎を置いている。もとはアラビア文字で表記されたが,1930年からラテン文字を,40年からロシア文字を用いるようになった。タジク語はチュルク語,アラビア語,ロシア語から大きな影響を受けた。とくに北西方言はウズベク,カザフ,キルギスなどのチュルク語との接触によって本来の構造を大きく変えた。
タジク族
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android