日本大百科全書(ニッポニカ)「タカノツメ」の解説
タカノツメ
たかのつめ / 鷹の爪
[学] Gamblea innovans (Sieb. et Zucc.) C.B.Shang, Lowry et Frodin
Evodiopanax innovans (Sieb. et Zucc.) Nakai
ウコギ科(APG分類:ウコギ科)の落葉小高木。高さ12メートル、直径60センチメートルに達し、幹、小枝ともに灰褐色で、刺(とげ)がない。葉は三出複葉で、長さ5~15センチメートル、小葉には細かい鋸歯(きょし)があり、長さ5~12センチメートルの長い葉柄がある。花は5~6月、短枝の先から出た複散形花序につき、淡黄緑色。果実は核果、球形、径約5ミリメートルで黒く熟す。北海道から九州に分布する日本特産種で、山地に普通に生える。名は、冬芽がタカのつめに似ているためとされるが、葉の形がそれに似るためとする説もある。材は箱、杓子(しゃくし)、箸(はし)、扇の骨などに用いられるが、折れやすい。材がいものように柔らかいため、イモノキの名もある。若芽は山菜として食べられる。タカノツメ属はアジア特産で、4種ある。
[門田裕一 2021年11月17日]