タウンミーティング(英語表記)town meeting

翻訳|town meeting

デジタル大辞泉 「タウンミーティング」の意味・読み・例文・類語

タウン‐ミーティング(town meeting)

政治家閣僚などが一般市民に対して行う対話型集会
[補説]本来は、米国一部で採用されている地方自治制度の名称。有権者全員が集まり、行政立法などに直接参加するもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「タウンミーティング」の意味・わかりやすい解説

タウン・ミーティング
town meeting

アメリカ北東部のニューイングランド,およびニューイングランド出身のヤンキーが移住した中西部北部に位置する州では,タウンが地方政治制度の中核であり,タウン・ミーティングはこのタウンの最高議決機関である。通例毎年1回,主として春に開催されるが,全有権者が参加する権利をもっており,実際上はすべての男子住民が参加できる慣習植民地時代から確立していた点で,アメリカの政治制度の中では唯一の直接民主政の形態をとっているといえる。タウン・ミーティングでは行政委員,書記巡査,税の評価人,民生委員,公立学校理事等の役職者を選出し,地方税,学校,図書館,道路,橋などのタウン全体の関心事を審議する。書記が議題を予告したうえで招集し,議長を選出して議事を進行するという手順がとられるが,通常議題は,有力者間での協議や特別諮問委員会あるいは財務委員会によって,あらかじめ検討されている。ただし,そのことによってタウン・ミーティング自体の審議が妨げられるわけではなく,しばしば白熱した論議が繰り広げられている。歴史的には,タウン・ミーティングは独立革命運動を推進する原動力となったのであるが,ことにボストンのタウン・ミーティングはサミュエル・アダムズの指導の下で,ひとりマサチューセッツにとどまらず,通信連絡委員会を組織して他の植民地にも甚大な影響力を発揮した。その後もさまざまな社会的な変化にもかかわらず,タウンの問題に関する公開の討論の場として今日にいたっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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