タウコギ(読み)たうこぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タウコギ」の意味・わかりやすい解説

タウコギ
たうこぎ / 田五加木
[学] Bidens tripartita L.

キク科(APG分類:キク科)の一年草。茎は高さ20~150センチメートルで、よく分枝する。葉はやや翼のある柄があり、対生する。8~10月、茎の上部の葉腋(ようえき)から伸長した小枝頭花をつける。頭花は両性管状花のみからなり、黄色。総包片は約10枚、草質で倒披針(とうひしん)形。痩果(そうか)は幅が広く、倒卵状長楕円(ちょうだえん)形で平たく、先に2本、まれに3~4本の芒(のぎ)がある。痩果の縁(へり)と面の中央脈および芒に下向きの小さい刺(とげ)があって、衣服などにつくととれにくい。田のあぜ湿地に多く、日本全土、アジア、アフリカ、ヨーロッパの熱帯から温帯にかけて広く分布する。和名は、ウコギの葉に似たものが田に生えていたところからつけられた。

[小山博滋 2022年3月23日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タウコギ」の意味・わかりやすい解説

タウコギ
Bidens tripartita; bur marigold

キク科の一年草。ユーラシア大陸,北アフリカオーストラリアの温帯から熱帯にかけて広く分布する。水田のあぜ道や湿地に生え,茎は高さ 50~100cmとなり,毛はない。葉は対生し,羽状に3または5片に深裂する。葉柄には翼がある。秋,枝先に黄色の頭状花をつける。管状花だけで舌状花はない。痩果は長さ7~11mmで平たく,逆向きのとげ状の冠毛が2個あり,他物や動物体に付着して散布される。

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百科事典マイペディア 「タウコギ」の意味・わかりやすい解説

タウコギ

キク科の一年草。全世界の温〜熱帯に分布し,水田のあぜ道や湿地にはえる。茎は分枝し高さ20〜150cm,無毛。葉はやや翼のある柄があって対生し,通常3〜5裂する。頭花は黄色の筒状花のみからなり,8〜10月開花,果実は長さ7〜11mmで平たい。

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改訂新版 世界大百科事典 「タウコギ」の意味・わかりやすい解説

タウコギ

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世界大百科事典(旧版)内のタウコギの言及

【センダングサ】より

…瘦果の先端には普通2本,まれに3~4本の芒状冠毛がある。水田のあぜ道や湿地に多いタウコギB.tripartita L.は旧世界の温帯~熱帯に広く分布する一年草。茎は直立し,高さ20~150cm,上部は分枝して花序となる。…

※「タウコギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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