ゾルゲンスマ(読み)ぞるげんすま(英語表記)Zolgensma

知恵蔵mini 「ゾルゲンスマ」の解説

ゾルゲンスマ

脊髄性筋萎縮症(SMA)に罹患した2歳未満の乳幼児を対象とした遺伝子治療薬の商品名。一般名は「オナセムノゲンアベパルボベク」。スイスの製薬会社ノバルティスファーマ傘下のバイオ医薬品企業アベクシスが創製した。脊髄性筋萎縮症は全身の筋力低下が起きる遺伝性の難病で、生後6カ月までに発症する「I型」では患者の9割が2歳までに死亡するか、生涯にわたり人工呼吸器が必要になるとされている。同薬によって正常な遺伝子を静脈内に投与することで、神経筋肉の機能低下を改善する効果がある。既存薬と異なり、一回の投与で治療は終了する。日本では20年3月に製造販売が正式承認され、同年5月に公的医療保険が適用される見通しとなっている。19年5月に承認された米国では2億円を超える高額な薬価がつけられており、日本国内での価格が注目されている

(2020-3-3)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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