日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ゾルゲ(Reinhard Johannes Sorge)
ぞるげ
Reinhard Johannes Sorge
(1892―1916)
ドイツの劇作家、詩人。ベルリン生まれ。ニーチェ、ゲオルゲなどの影響を受けて、早くから文学を志したが、戦傷を負って24歳で夭逝(ようせい)した。代表作は、表現主義戯曲の先駆的な作品『乞食(こじき)』(1912)である。自我や法悦への渇望を高揚した文体でつづったものが多く、観念的すぎるきらいがある。『オデュッセウス』(1911)、『グントバル』(1914)、『ダビデ王』(1916)などの戯曲のほか、夢想的な叙情詩や、カトリック改宗(1913)後に書かれた宗教詩などがある。
[恒吉良隆]